会長挨拶

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第64回日本産科婦人科内視鏡学会学術講演会
会長大須賀
(東京大学大学院医学系研究科産婦人科学教授)

第64回日本産科婦人科内視鏡学会学術講演会の会長を担当します大須賀穣(おおすがゆたか)でございます。学会の開催にあたりご挨拶いたします。学会の会期は2024年9月12日(木)から14日(土)、会場は東京の都市センターホテルとそのすぐ近くにある砂防会館です。

私は2019年から2023年まで当学会の理事長を務め様々な取り組みをいたしました。その経験をもとに今回のテーマを「健全な多様性の希求」といたしました。近年、内視鏡手術はますます多様化しています。機器の種類に限ってみましても、いくつかの新たな手術用ロボットが登場し、細径の子宮鏡も複数導入されてきました。手術方法においてはvNOTESが導入されたことは大きな変化ですが、ロボット手術、腹腔鏡手術においても継続的な手技の改良がなされています。また、疾患の病態解明や薬物療法の進歩により治療方針における内視鏡手術の位置づけも多様化しています。研修体制においても都市部と地方では異なる状況に応じた効率的な研修が求められています。このような多様性の中でいかに患者さんに最善の医療を届けることができるかは、現代の大きな課題です。さらに、多様性はサステナビリティとも両立することが必要であると考えています。ディスポーザブル製品を多用する腹腔鏡手術においては地球環境への配慮が求められますし、手術で発生する煙や医療廃棄物についても適切な処理が重要です。グローバルな視点に立ってみますと医療格差は厳然として存在します。手術用ロボットが導入困難な国では、従来の腹腔鏡手術がまだ当分の間中心的な役割を果たします。

今回の学会はAPAGE regional meeting 同時開催の国際色豊かな学会で、幅広く英語セッションを準備しました。多様な医療環境にある国々の先生の参加は、広い視野からのディスカッションを活性化し、さらには国際連携に発展するものと期待しております。交流を広げていただくために、ささやかではございますが情報交換会も用意しております。会場は大都市東京のど真ん中です。勉強に疲れたら学会場から街に繰り出して飲食・娯楽などを楽しんでいただければと思います。多くの皆様のご参加を心よりお待ちしております。